Ethernetにおいてケーブルとして主に使われているのは次の種類です。
標準規格名 | IEEE仕様名 | 承認年 | 速度 | サポート媒体 |
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10Base5 | 802.3 | 1983 | 10Mbps | 50Ω同軸(thick) |
10Base2 | 802.3a | 1988 | 10Mbps | 50Ω同軸(thin) |
10BaseT | 802.3i | 1990 | 10Mbps | 2組の100ΩCategory3 |
100BaseTX | 802.3u | 1995 | 100Mbps | 2組の100ΩCategory5 |
最初の製品は 10Base5 で 1980年に3Comから出荷されました。 初期は 10Base5 が主流でしたが、一瞬の10Base2の流行の後、 10BaseT でネットワークを組むのが一般的となりました。 そしてさらに、ここ数年で急速に 100Base-TX が普及しました。
[10Mbps Ethernetの特性]各ノードはチャネル上のトラフィックを検出している (「話す前に聞く(listen-before-talking)」) わけです。 チャネル上に既にトラフィックがあれば送信を控えます、 トラフィックが無いことを確認してから通信を始めても、 信号の伝播 (同軸ケーブル上の信号伝播速度は約0.77c) には時間がかかる (propagation delay) ので、通信中に 信号の衝突が起きる可能性は残っています。
トランシーバは同軸ケーブルを電流源信号によって駆動していて、 論理値 0 または 1 がそれぞれ電流を 「流さない」または 「流す」 ことを表しています。 1台のトランシーバは約40mAの電流を流し (シールドを基準点にして同軸ケーブルの中心導体からトランシーバ へと負の電流が流れる)、同軸ケーブルの中心導体とシールドの電位差は 約2Vになります。
2台のトランシーバが電流を流す場合は、各々が 40mA を流すので 電位差は約 4V に上昇します。 これによりトランシーバの受信回路が衝突を検出できます。
ノード host1 がフレームを送出してからネットワークの隅々にまで 信号が伝播するには一定の時間 t がかかるとします。 すると、送信を開始した後にこの時間 t が経過すれば、もはや 他のノードはフレームを送出しませんから衝突は起こりません。 衝突が起きた場合に衝突信号が返ってくる時間を考慮して、 信号が媒体を1往復する時間を T = 2t とすると、host1 は 送信を開始してから時間 T が経過したあとは伝送チャネルは host1 が確実に占有したと判断できます。 この T を「衝突の窓 (Collision Window) 」といいます。
休止時間 = slot time × r ただし 0 ≦ r < 2min(k,10) kは試行回数で計算されます。
ノードがフレームを送信し始めてから slot time が経過すればそのノードが 確実にチャネルを獲得したことになり、これ以降は他のノードはフレームを 送出しません(フレームの衝突は起こらなくなります)。 したがって、平均のフレームサイズが slot time よりどれだけ大きいかが ネットワークの効率を決定することになります。一般に、フレームサイズが 大きい方が効率は良くなります。
Ethenet フレームは最小 64 byte, 最大 1518 byte となります。 受信ノードは carrier sense 信号を監視しており、これが on から off になると1つのフレームが受信されたとみなします。
受信フレームが byte の整数倍でないと最も近い byte 整数に まるめます(普通はこの結果 FCS check error となります。 64 byte 未満の場合はラント・エラー)。 1518 byte よりも大きい場合は1518 byte で切ります。
Ethernetフレームの送信は、
トランシーバはホストからの送信対信号を watchdog timer で監視し、 150 μsec を越えた連続信号が送られてくるとこれを物理チャネルに 送出しません。 (Ethernetが正常に機能する鍵である)信号衝突機構が機能している ことを確認するために、ホストが送信を完了した直後の 9.6 μsec を 使って、トランシーバと送信ホストの間で衝突検出回路の動作確認を 行ないます。
マンチェスタ符合化 --- 1ビット・セルを2分割し、前半をオリジナルの 補数、後半をオリジナルにする方式。
物理的に信号立ち上がり時は不安定なので、データを送出する前に チャネルを安定し同期をとる仕事が必要になります。 送信側はデータ送出に先だって 8 octet のプリアンブルを送り出し ます。 受信側はプリアンブルの最後 2bit に1が連続することを利用して データの先頭を検出します。
リピータは、接続された2つのセグメントに対して双方向の増幅・ リタイミング機能を果たします。 片側のセグメント上のプリアンブルを含むデータ・フレームを そのまま忠実に反対側セグメントに送出します。 リピータ内部では一旦マンチェスタ符合がデコードされ再び エンコードされて反対側に送出されます。 ただし、プリアンブル部はリピータが生成します。
リピートされるフレームに対する有効なキャリア・センス信号が 立ち上がった後、 6bit時間以内に 64bitのプリアンブル部を生成し 送出し直後にリピートすべきフレームを送出します。
物理層で MAC 副層を実現するハードウェア (LANCE チップ) では、 キャリア検知信号が off になってから次のフレームによるキャリア 検知信号が on になるまでに内部回路をリセットしなくてはいけません。 現在の LANCE チップでは 10Mbps で 40bit時間は必要です。 これがフレームの間を 96bit時間あけるべしという規定の理由です。 リピータをフレームが通化すると、リピータ内部のクロックで 再タイミングがとられますし、またフレームごとの中継時間の ばらつきもあるので、 これらの要因を総合すると、リピータ通過時にフレーム間隔が 10bit時間減少する可能性があります。 これが「4(ハーフ)リピータ規則」の理由です。
ブリッジは、Ethernet frame を一旦受け取ってから、 必要に応じてネットワークに転送します。
したがって、ブリッジを越えて衝突が起きることはありません。 つまりリピータの2段ルールはブリッジがあるとそこで切れる (一まとまりになる)ことになります。
最近流行の「スイッチ」も一種のブリッジですが、2個以上の インターフェイスを持ち、 インターフェイス間のトラフィックを並列に処理する点が 異なります。
しかも「スイッチ」では "cut through" (フレームを全部受け取ってから 転送するのではなく、宛先アドレスを読み終るとすぐに送りだし始める) 技術を使って遅延時間を最小にするのが普通です。
ただし、"cut through" 技術では、壊れたEthernet Frameも転送してしまう (宛先アドレスまでは正しいことが多いので)という欠点があります。 このため、多少遅延時間は増えますが64バイトまで受け取ってから 転送を開始する "adaptive cut through" 方式を採用するスイッチが 多くなってきています。
10Base5 や 10Base2 においてはいずれも50Ω同軸ケーブルを敷設する 必要がありました。 10BaseTは、既に建物に埋め込まれた電話用ツイストペア・ケーブル (category 3)を利用するために規定されました。
パラメータ | Ethernet | FastEthernet |
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slotTime | 512bit-times | 同左 |
InterFrameGap | 9.6μs(最小) | 0.96μs(最小) |
attemptLimit | 16(試行) | 同左 |
backoffLimit | 10(指数) | 同左 |
jamSize | 32bits | 同左 |
maxFrameSize | 1518bytes | 同左 |
minFrameSize | 64bytes(512bits) | 同左 |
addressSize | 48bits | 同左 |